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(192) 21・05・03 東京駅と中央郵便局

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東京中央郵便局

 先々月、「誰だ壊したのは!どういうこと、これ?」と怒鳴り散らした鳩山邦夫総務大臣。
 これに対して認可した東京都は、「文化財に指定されているなら計画が変わってきたが、今になってその価値を言われても・・・」と困惑顔。計画では建物の外観の一部(2割)を保存したうえで38階建てビルを建設、平成24年度から供用を開始する予定であった。
 総務大臣の懸念の発言を重くみた郵政側が見直しをするとして、2割を3割保存で矛を収めた。

 昭和6年(1933)竣工の中央郵便局は、日本モダニズム建築の傑作との評価が定まっている歴史的建造物で、しかも日本人建築家による官庁建築第一号という記念碑的な建物。中央郵便局も東京駅の復元のやり方をモデルとして、重要文化財として保存に取り組むべきだった。そうすれば東京駅と一体的景観を保つ歴史的建築物として後世に残せたのに・・・

 郵政側は「有識者の報告を踏まえて事業を計画した」と説明したが、それは事実と異なる。有識者は全面保存を求めていたのであった。強欲資本主義に毒されている西川善文(よしふみ)日本郵政社長の独走を止めた点では鳩山総務大臣の一喝は効果があったが、「では、3割を残せば良いのか」 ということになり今後の歴史的建築物の保存に対し、悪しき前例となるのではないかと心配される。


モダニズム建築 : 19世紀以前の様式建築を批判した近代建築運動により生まれた建築様式。

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東京駅丸ノ内駅舎

 駅舎は平成15年(2003)に重要文化財に指定され、平成23年(2011)の完全復元に向けて急ピッチで工事が進められている。
 工事費については容積率を空中権として売買するとこによって500億円を生み出した。


 大正3年(1914)の開業当初は鉄筋煉瓦造り3階建て9、545㎡、330mの駅舎だった(設計:辰野金吾)が、アメリカ軍の空襲で大半が焼失したため、昭和22年(1947)に2階建てとして修復した。


辰野金吾 (たつの きんご、1854~1919) : 明治・大正期の建築家。建築の頑丈さから「辰野堅固」と呼ばれた。90年前の大正8年、当時大流行(パンデミック)したスペイン風邪(新型インフルエンザ)に罹患(りかん)し逝去した。

by chibi-papa | 2009-05-03 21:22 | チビのお出かけ  

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