夢ノ島公園(109)19・04・30 

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初代・夢ノ島

 昭和40年(1965)、江東区に蝿の大群が押し寄せて来た。特に南砂町はハエ、はえ、蝿だらけ。原因は塵の島 「14号埋立地」 (通称:夢ノ島)。そこで 「夢ノ島焦土作戦」 (しょうど さくせん)と称して塵(ごみ)に重油を撒(ま)いて蝿を焼き尽くそうとしたら、悪臭を伴う煙が広い範囲に漂ってしまったりでテンヤワンヤの大騒ぎ。

14号埋立地が塵処分場としてすっかり有名になってしまったので、その後の塵埋立地も夢ノ島と呼んでいる(新夢ノ島、三代目夢ノ島、四代目夢ノ島、五代目夢ノ島と続き、夢ノ島が塵埋立地の代名詞となった)

 戦前の昭和14年、ここに飛行場を建設すべく埋め立てを開始したものの2年で頓挫(とんざ)。戦後はここを塵の埋立地として昭和42年まで続けた。現在ではこのような緑の島に生まれ変わった。

平成2年(1990)、JR京葉線(けいようせん、東京駅~蘇我駅)が全通した。
新木場駅に地下鉄・有楽町線(新木場駅~和光市駅)と臨海線(新木場駅~大崎駅)が接続して、交通の便が飛躍的に良くなった。

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第五福竜丸のエンジン

 第五福竜丸(だいご ふくりゅうまる)のエンジンが第五福竜丸展示館(写真右奥)の脇に展示されている。第五福竜丸は昭和42年(1967)に廃船になり、エンジンは貨物船に移された。しかし、その船が昭和43年、熊野灘沖にて沈没。平成8年(1996)にエンジンが海中から引き上げられた。28年間も海に沈んでいたのでボロボロ。数奇な運命を辿った第五福竜丸の心臓部と接することができた。

 すぐ近くに「マグロ塚」がある。昭和29年(1954)、アメリカによる水爆実験で被爆した第五福竜丸から放射能に汚染された鮪(マグロ)が水揚げされ、消費者にわたる前に中央卸売市場・築地市場の一角に埋められ、市場の外壁にプレートが掲げられている。


平成7年(1995)、都営地下鉄大江戸線・築地市場駅工事に伴い、市場地下を調査したが骸(むくろ)は発掘されなかった。60年の歳月で鮪は土に還ったのであろう。

 さらに第五福竜丸展示館の敷地の一角に第五福竜丸(乗組員23人)の無線長で「局長」と慕われていた最年長だった久保山愛吉(くぼやま あいきち)さんの記念碑がある。そこには死の灰を浴び半年後に亡くなった久保山さんの言葉 『原水爆の被害者はわたしを最後にしてほしい』 が刻まれている。死因は急性放射能症による肝臓障害、享年40。合掌。

 いよいよ第五福竜丸展示館に入る。第五福竜丸が展示されている。昭和22年(1947)鰹漁船・第7事代丸(だいなな ことしろまる)として建造され、後に鮪漁船・第五福竜丸に改造されて遠洋漁業に出ていた。昭和29年3月、南太平洋・マーシャル諸島のビキニ環礁で、アメリカの水爆実験による死の灰を浴びてしまった。
 その後、練習船・はやぶさ丸に改造されて東京水産大学で使われていたが昭和42年(1967)廃船、エンジンを取り外した後、解体業者によって夢ノ島の隣の第15号埋立地(新夢ノ島)に放置されていた。船体の保存運動が起こり、ここに永久保存となった。

 総トン数141t、長さ29m、幅6m、高さ15m、深さ3m、スクリューも錨(いかり)も思っていたよりも小さい。こんな小さな木造船で遠洋漁業に出ていたとは信じられない。魚倉(ぎょそう)に氷を満杯にして出航したという。赤道直下でも氷が解けにくいように魚倉は工夫されていた。船首や船尾の曲線部分は松板を蒸し曲げ(むしまげ)の技術で湾曲(わんきょく)させていた(だから、船の俗字は舩なのかな?)
 木造で出来ていた船橋(せんきょう、指令塔)は現在の技術では補修・再現できず鋼板製になっていた。船釘(ふなくぎ)も展示されていて、当時の船大工(ふなだいく)の技の凄さが伝わってくる。今年で建造60年目を迎える。


焼津港に帰港した第五福竜丸の乗組員達を待ち受けていたのは、死の灰を浴びたということでの地元での差別だった。いたたまれず東京に移住。冷凍士だった大石又七氏は語り部(かたりべ)として、今も体験を語り継いでいるという。

被爆したのは第五福竜丸だけでなかったようだ。なんと、数百艘が被爆した模様。アメリカは早期決着を望み、翌年(昭和30年1月)見舞金200万ドル(7億2千万円)を支払うことで政治決着した。日本政府は隠蔽、マスコミは沈黙。

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夢ノ島熱帯植物館

 昭和63年(1988)に開設された熱帯植物を主に展示する植物園で、大きな温室は熱帯雨林の環境をモデルに造られている。温室は左からA-dome、B-dome、C-domeから成っていて、C-domeには小笠原諸島特有の植物が集められている。
 小笠原諸島は東京の南南東1,000kmの太平洋上にある30余の島々で、東京都に属しているが気候は亜熱帯。これらの気候環境にするため、同じ夢ノ島内にある新江東清掃工場のゴミ焼却熱を利用しているという。

 イベントホールでは弦楽四重奏のコンサートがおこなわれていた。そういえば受付の雰囲気も良かったニャ。そうか!平成18年から指定管理者制度によって民間企業がこの施設を管理しているからサービスが向上したんだな。


熱帯雨林(tropical rain forest) : 熱帯多雨林ともいう。年平均気温25℃以上、年間雨量が2,000mm以上で降雨が年間でほぼ平均している熱帯に分布する森林。東南アジア、アマゾン川流域、アフリカのザイール川流域などに分布している。

東京都小笠原に核兵器が持ち込まれる可能性については平成16年10月2日の チビのお出かけ 6 を見てね。

指定管理者制度(していかんりしゃせいど) : 公の施設の管理はそれまで地方公共団体やその外郭団体に限定されていたが、平成15年(2003)から民間企業にもできるとした制度。これにより、施設運営面でのサービス向上(利用時間の延長など)で利用者の利便性が向上したり、経費の削減によって施設を所有する地方公共団体の負担が軽減できる。

 (チビの日記!!チビのお出かけ 109)
・・・今年のキーワードは「ロハスとグレイトコラボレーション」・・・
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by chibi-papa | 2007-04-30 14:02 | チビのお出かけ  

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