青柳段丘と湧水(89)18・12・03  

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谷保天満宮の臥牛

 南武線・谷保駅(やほ えき)で下車。谷保天満宮(やぼ てんまんぐう)には2頭の臥牛(ふせうし、臥せている牛)がある。今乗っているのは本殿寄りにある金属製の臥牛なんだ。今回はこの辺りの河岸段丘(かがん だんきゅう)と湧水(ゆうすい)を調査する。

 河岸段丘とは河川の中流域や下流域に沿って発達する階段状の地形をいう。段丘面(だんきゅうめん、平坦な部分)と段丘崖(だんきゅうがい、がけの部分)とが交互になっていて、段丘面は地下水面が低いので、段丘崖の下には湧水個所がある。

 隊長:チビ、写真班:パパ。この隊形で、早速 調査開始!天満宮脇の水路にも立川段丘崖からの湧き水(常盤の清水)がかなりの水量で流れている。


5月27日に来た時の臥牛は階段下にある石製の臥牛。 チビのお出かけ53 を見てね。

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城山公園の池

 城山(じょうやま)公園は青柳段丘崖線(がいせん)にあり崖の高さは8m、都の歴史環境保全地域に指定されている。鎌倉時代初期の三田氏の城館(じょうかん、豪族が住んでいた館のこと)跡が屋敷林や雑木林に包まれている。さらにその昔の平安時代には菅原道真(すがわら みちざね)の三男・道武(みちたけ)の館(やかた)があったという。
 池は落ち葉で水面(みなも)が見えないほど。隣接する復元された農家では大勢の親子が楽しそうに餅つきをしていた。


この辺りは2段の段丘構造になっていて、青柳段丘の北に立川段丘がある。青柳段丘は谷保天満宮で立川段丘に接している。

901年(平安時代前期)菅原道真が太宰府に左遷され、当時まだ8才だった三男・道武は武蔵ノ国に流され、谷保(やぼ)一帯を統治していた県主(あがたぬし)・津戸貞盛(つど さだもり)に庇護(ひご)を乞う。そして貞盛は道武の後見役となる。その後、道武は貞盛の娘を妻として迎えたという。
菅原道武は父・菅原道真と伴に谷保天満宮に祭神(さいじん)として祀(まつ)られている。
 
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ママ下湧水

 この辺り一帯は北側に青柳段丘が、南側には古来多摩川の氾濫原(はんらんげん)であった低地が広がっている。崖のことを「ハケ」といもいうが、ここ四軒在家(しけんざいか)では「ママ」と呼ぶことから、この崖下から湧き出る地下水を「ママ下湧水」(まました ゆうすい)と呼んでいる。昔は豊富な湧水群があり昭和初期までは山葵田(わさびだ)が見られたという。
 多摩川の土手で昼食、暖かい日差し。しばらく土手を歩いてから青柳段丘面にある甲州街道を越え矢川に沿って矢川緑地に向かった。川は国立(くにたち)第六小学校内を流れ、その清水を利用して生徒たちは蛍を飼育している。


野菜を洗うため川面に降りられるようになっていて、現在も使われている様子。その部分をドアと言うが、ベンガル語でもそう言うようだ。

 チ ビこれらの雑木林や湧水は河岸段丘崖(かがんだんきゅうがい)に守られて、開墾(かいこん)や宅地開発から辛(かろ)うじて生き残ってきたんだね。公園などになっているからいいけど、このまま環境破壊が進んでしまったら次の世代に自然を残せなくなちゃうよね。

 パ パそうだね。自然の生態系は壊れてしまうとその復元には長い時間がかかるし、場合によっては復元できなくなってしまうからね。

 チ ビ自然とのかかわりを意識して、生態系の保全を視野に入れた持続可能な社会に向かうことで、将来の世代に対する責任を果たさないとね。そうでないと人間は環境から見たら「加害者」になちゃうし、それに将来世代の人々に対する「加害者」にもなちゃうニャ~。

 パ パチビは良くわかっているね。

 チ ビパパがECO(エコ)検定試験の勉強していたから、ボクもいろんなこと覚えちゃったよ。だってボクとお出かけするときパパはいつも暗記カードを手にしていたじゃない。「門前の小僧、習わぬ経を読む」といったとこかニャ。

 パ パお陰で10月15日におこなわれた第一回環境社会検定試験(ECO検定)に合格できたよ。

 チ ビでは、ECO検定合格者としてパパ、何か一言。

 パ パえ~っ、将来の世代に豊かな自然を残し、未来にわたって自然を現在と同じように利用できるようにするため、え~っ、今の世代の私たちが行動できることは何かを考えなくてはならない。え~っ・・・

 チ ビということは、里山(さとやま)構想による循環型生態系を守り・復活させるなど、「ロハス的な生活を心がけていこう」ということだニャ。

 パ パそ、そのとおり。

諺「門前の小僧、習わぬ経を読む(もんぜんのこぞう、ならわぬきょうをよむ)」 : お坊さんの読むお経をいつも聞いているだけで、別にお経を習ったわけでもないのに、お経を読めるようになってしまう、という諺。

環境社会検定試験(ECO検定) : ECOピープル(環境問題を意識して日常生活を送ると共に、一人ひとりが可能な範囲で行動を起こしていく人)が増えていくことを期待して、商工会議所が実施する検定試験。受験資格は学歴・年齢・性別・国籍を問わない。第一回目の試験で11,025人が合格した。

ECOピープル行動指針
 ①環境に関心を持つ 
 ②健康に気を配り、毎日の生活を丁寧に暮らす 
 ③多様な「いのち」を慈しむ 
 ④自然の豊かさを楽しみ、自然から学ぶ 
 ⑤地域コミュニティをともに創りあげていく 
 ⑥それぞれの人や組織を認め、連携し協議する 
 ⑦限りある資源を大切にする

ロハス(LOHAS) : Lifestyles Of Health And Sustainability の略で、健康と地球の持続可能性を志向するライフスタイルのこと。環境に配慮しない暮らし方は自ら小宇宙(人体)への加害者となってしまう。 

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矢川緑地の雑木林
 
 矢川緑地保全地域に辿り着く。雑木林に佇(たたず)むチビ。青柳段丘崖線に連なる雑木林を歩いて来た。「雑木林」という言葉には何となく心和む(こころなごむ)響きがある。国木田独歩(くにきだ どっぽ)が小説「武蔵野」で賞揚(しょうよう、ほめたたえること)した武蔵野の風景はこのようなものだったのだろうか。今の武蔵野がここにあり安らぎを感じる。
 
雑木林を過ぎると萱(かや、茅)の原になり沼地になっている。立川段丘の地下水が沼の中央から湧き出て、矢川の源流となっている。

国木田独歩 : 明治時代の小説家、詩人。小説「武蔵野」(「今の武蔵野」を改題)は普通の小説とは異なり、武蔵野を吹き抜ける風と木立(こだち)を眺めているように書かれているので、小説を読んでいるというよりまるで絵画を鑑賞しているかのようだ。

南武線沿線の谷保駅は立川段丘面に、矢川駅は青柳段丘面に、西国立駅は立川段丘面にある。立川段丘面→立川段丘崖→青柳段丘面→青柳段丘崖→氾濫原→多摩川とだんだん低くなっていく。段丘崖のことをハケともいい、崖線に沿って湧水があった。また矢川・立川線上に活断層が走っていてその高低差は1mというので注意して歩いたけれど今回確認できなかった。

 以上にて隊長:チビ、写真班:パパによる河岸段丘と湧水の調査を終え、西国立駅(にしくにたち えき)に向かう。以上。

 (チビの日記!!チビのお出かけ 89)
・・・ロハス的な生活を心がけていきたい・・・
 
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by chibi-papa | 2006-12-03 16:50 | チビのお出かけ  

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